「春のざわめき」 ’01年3月26日
暖かくなったと思ったら、また寒くなったりしていたのが、とうとう思いきったように春らしい暖かさになりました。
ガラス戸を開けて網戸にしておくと、流れ込んで来る風が春のそよかぜそのもので気持ちがざわめいて来ます。
それはしし丸たちにとっても一緒のようです。
あけびの木の枝に新芽がいっぱい生え、桃のつぼみもふくらんで来ました。
近所の家の庭にある梅の花は満開で、「チッ、チッ!」という小鳥の鳴き声もさかんに聞こえるようになりました。
小鳥がカリンの木の枝に止まるたびにしし丸は、小鳥の動きを必死に眼で追い、時々は飛び上がってみたりもします。
でも、しし丸と小鳥の間には網戸がありますから、しし丸は網戸にぶつかってずり落ちて来ることになります。
そのうちに網戸を押し倒してしまうのではないかと心配です。
でも、しし丸は家の中ばかりにいるからまだいいのです。
問題はトラミなのです。
最近、トラミはねずみをつかまえて遊ぶことをおぼえたというのです。
先日も、「チューッ!チューッ!」という鳴き声が聞こえて来るので、妻が外を見ると、トラミが何かを庭のすみに追い詰めていたのだそうなのです。
急いで行って見ると、植木鉢の陰に子ねずみが隠れてふるえていたというのです。
ねずみと言っても、庭やそのへんの畑などで見かけるねずみはどぶねずみなどと違ってツヤツヤした毛並みで手入れの行き届いた姿をしています。
それで、妻はそのねずみをからっぽの植木鉢に入れて近くの畑まで運んで行き、そこに放してやったそうです。
しし丸やユキがねずみを見つけたらどうするだろうかと、ふと考えてしまいました。
ねずみなどを見たら、しし丸は逃げてしまうかも知れません。
でも、ユキはきっと追いかけるのではないかと思います。